大田区が誇る巨匠・川端龍子の個人美術館である「龍子記念館」では、現在、名作展「源流へのまなざし モティーフで見る川端龍子」が開催されています(2026年3月8日まで)。

本展は、洋画家から出発し独学で日本画を開拓した龍子が、古典や現実のモデルをいかに独自の「まなざし」で捉えたかに焦点を当てた、見応えのある展示です。
会場を訪れて感じた圧倒的なスケール感と、思わず息を呑むような独創的な作品の数々を詳しくレポートします。

 

アイキャッチ 松濤園一般公開
2025年池上本門寺松濤園 一般公開おすすめ見どころ完全ガイド2025年の池上本門寺松濤園一般公開の見どころやアクセス情報を詳しく解説。歴史ある日本庭園で茶室巡りや新緑の美しさを楽しめる貴重な機会をお見逃しなく。...

 

⬇️開始2時間最大半額クーポン
対象アイテム限定 最大半額クーポンあり
⬇️とりあえずクーポンは全部もらっておきましょう
選んで使える、何度でも使える 100円〜2,000円クーポン
⬇️最大10,000万ポイントが当たるスロット
スーパーSALEスロット

龍子記念館で体感する、川端龍子の圧倒的スケール

大田区立龍子記念館

日本画の常識を打ち破った「会場芸術」の旗手

川端龍子像
展示風景より、川端龍子像

龍子記念館は、日本画家の川端龍子(1885-1966)が、自身の作品を展示するために自ら設計し、1963年に設立した美術館です。

龍子はもともと洋画家から出発し、挿絵画家の時代を経て、独学で日本画の世界を開拓し続けました。
彼の最大の特徴は、それまでの床の間で鑑賞する日本画の枠を超え、広い展示会場で大勢の人が一度に鑑賞することを前提とした「会場芸術」を提唱した点にあります

広い龍子記念館
展示風景より、記念館内部

館内に足を踏み入れると、まずその作品一つひとつの巨大さと、そこに込められた力強いエネルギーに圧倒されます。

名作展「源流へのまなざし」とは?

源流へのまなざし チラシ

現在開催中の名作展「源流へのまなざし モティーフで見る川端龍子」(2026年3月8日まで)は、龍子が描く対象をどのように捉えていたかに焦点を当てた展覧会です。

本展では、作品を「古典的モティーフ」と「現実にあるモデル」という2つの視点からセレクトしています。
古くから脈々と描かれてきた伝統的な題材を龍子がどう解釈し、また実在する対象をどのように表現したのか。龍子独自の鋭い「まなざし」を通して、彼の独創性の源泉に触れることができる貴重な機会となっています。

古典への敬意と独創性―注目作品をレポート

快慶に挑む?《やすらい》に見る龍子の解釈

やすらい 川端龍子
展示風景より、川端龍子《やすらい》(1958)

1958年の作品《やすらい》は、高野山金剛峯寺にある快慶作の重要文化財《孔雀明王》から着想を得たものです。

一般的な仏画では孔雀に「騎乗」する姿が描かれますが、龍子はこの作品で、明王が休息している様子を描き出しました。
周りの孔雀ものんびりとした様子で描かれており、まさにタイトル通りの「安らぎ」を感じさせる一幅です。
伝統を重んじながらも、独自の視点を加える龍子の姿勢が伺えます。

《虎の間》に見る静と動

虎の間 川端龍子
展示風景より、川端龍子《虎の間》(1947)

1947年の《虎の間》は、南禅寺にある狩野探幽の《群虎図》を引用し、その手前に座る龍子自身を描いた自画像です。

画中の虎はこちらを睨みつけるような鋭い緊張感を放っていますが、対照的に手前の龍子はどこかゆったりと構えており、のんびりした印象を受けます。
鋭い虎と落ち着いた自画像という、温度差のある構成が印象的な作品です。

日本画家としての原点《阿吽》

阿吽 川端龍子
展示風景より、川端龍子《阿吽》(1918)

1918年の《阿吽》は、龍子が日本画に転向した初期の重要作です。
金屏風に向き合う2頭の獅子は、伝統的な唐獅子をモティーフにしていますが、体の毛並みは巻き毛ではなく「逆毛」のように描かれています。

日本画家としてのスタートを切った30代前半の龍子の、若さと勢いを感じさせる作品です。

私が気に入った作品《山葡萄》

山葡萄 川端龍子
展示風景より、川端龍子《山葡萄》(1933)

今回の展示で特に印象的だったのが、1933年の作品《山葡萄》です。
この作品で目を引くのは、その色の構成です。

画面を埋める赤色と、そこに点在する鮮やかな青い実の対比が非常に効果的です。
この青い実は、人物(葡萄の精)が身をゆだねている葡萄そのものを擬人化したものだそうです。

解説によると、このふくよかな裸婦像に対しては、龍子の妻が不満をもらしたというエピソードも残っています。
富士山への写生旅行中に見つけた真っ赤な山葡萄の蔓を、捨てるのが惜しくてそのまま描いたという経緯もあり、当時の龍子が感じた色の鮮やかさがそのまま伝わってくるような一幅です。

龍子記念館をもっと楽しむ!龍子公園(旧龍子邸)と建物の魅力

国の登録有形文化財を歩く「龍子公園」

龍子公園 公式サイトより引用
画像引用:公益財団法人 大田区文化振興協会

記念館の向かいにある龍子公園は、龍子が自ら設計した旧宅とアトリエが保存されている場所です。
これらは国の登録有形文化財に指定されており、龍子の建築へのこだわりを間近で見ることができます。

公園内には、終戦間際の空襲で壊滅した箇所を龍子自らが池として造成した「爆弾散華の池」や、60畳もの広さがある採光豊かなアトリエなど、見どころが豊富です。

公園(旧邸)の案内は、記念館の入館チケットをお持ちの方を対象としています。
公園のみの単独見学はできないため、先に記念館の受付を済ませておく必要があります。
案内時刻は、10:00、11:00、14:00の1日3回です。

邸宅見学の時間は決まっているため、あらかじめこの時間に合わせて記念館の見学スケジュールを立てることをお勧めします。

龍子記念館の建物とアクセス

静かな住宅街の中に建つ、タツノオトシゴのような形をした特徴的な外観も必見です。
この建物自体も国の登録有形文化財に登録されており、龍子の美意識を象徴するスポットとなっています。

アクセスについては、以下の方法が便利です。

◾️バスを利用する場合
JR大森駅西口から東急バス4番「荏原町駅入口」行に乗車し、「臼田坂下」で下車して徒歩2分です。

◾️電車の場合
都営地下鉄浅草線「西馬込駅」南口から、南馬込の桜並木を通り、徒歩15分ほどで到着します。

所在地:東京都大田区中央4-2-1

まとめ

川端龍子の源流に焦点を当てた今回の名作展は、初期の出世作から晩年の意欲作まで、彼の歩みを一望できる機会でした。

巨大な画面から放たれるスケール感はもちろん、作品に込められたエピソードや、龍子公園(旧邸)まで含めた一貫した美学に触れることで、龍子という画家の存在をより身近に実感することができます。

展示は2026年3月8日まで開催されています。
ぜひ時間を合わせて、龍子の世界を体感しに足を運んでみてはいかがでしょうか。

にほんブログ村 地域生活(街) 東京ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 地域生活(街) 東京ブログ 大田区情報へ
にほんブログ村